【WSL2】コスパよくWindowsで開発環境と整える

  • 開発するのにMacがオススメされるけど、高くて躊躇している
  • 会社で使ってるスペック用意すると20~30万かかるのでプライベート開発PC用意に抵抗感がある

費用とスペックの折り合いがつかず、プログラミング環境が充実していないなんてことありませんか。

実は、Windowsを使えば有用な開発環境をつくることができます。最近、自分のPC入れ替えて快適にプログラミングができる環境が整いました。

そこでこの記事では、Windowsで費用を抑えつつプログラミングできる開発環境の整え方を紹介します。

費用を抑えるならデスクトップを選ぼう

  • デスクトップ x Windows = 10万円

ノートパソコンでお探しの方はごめんなさい。「持ち運べる」を犠牲にするだけでかなりコスパが良くなります。しかし、デスクトップならばノートパソコンに比べて2、3倍のコストパフォーマンスをだせるので、費用を抑えたい方はデスクトップの検討をお勧めします。

プログラミングするならMacという意見が多く見られますが、ここ数年でWindowsの開発環境も一気に使いやすくなったのも費用を抑えるのに使います。

汎用性重視のWindows仮想環境

Windowsを選んだ理由のひとつにお手軽な仮想環境があります。WSL2です。

何をプログラミングするか決まってなくても対応可能

仮想環境全般にいえることですが、幅広い言語・環境に適用しやすいことがメリットです。

プログラミングはLinuxをメインにしているものも多く、Linux環境でしかサポートされていなかったり、ドキュメントがLinux用であったりと、Windows/Macなら前提条件でコケることがあります。

しかし、仮想環境を使用すれば前提条件のLinuxは障害ではなくなり、幅広いプログラミング言語を扱えるようになります。

環境を整えるのにLinuxをPCにインストールする手もあるのですけれども、Linuxデスクトップを使うとちょっともっさりしているだとか、MaxやWindowsの使用感が一段落ちるのでメインは使い慣れたOSを使用しつつも、開発環境でLinuxを使っていきます。

Windowsを使用する理由

WSLで完全なLinuxを動かせる

Windowsを使用する理由はWSL(Windows Subsystem for Linux)の存在があるからです。とくにWSL2がリリースされてからは完全なLinuxを使用することができます。

vscodeと高親和性

汎用開発環境であるvscodeとの相性も抜群です。圧倒的に使用されているvscodeもマイクロソフト製がゆえか、ストレスなくWSL2と連携できます。

sshを使用しなくてもWindowsとLinuxの間の通信設定をかってにやってくれて、vscodeでWindows画面にいながらLinuxのファイルを開けます。

Virtualboxなど仮想環境ソフトをしようするとsshの設定やネットワークの設定が多少必要だったりするのですけれども、WSLを使えば不要です。

それにLinux側で立ち上げた「http://localhost:8080」ローカルのWebサイトにWindows側からもアクセスできるのは衝撃でした。設定せずにつながるとは楽すぎです。

Arm製がサポート外であることが多い

Macに搭載されている超高性能なCPUである「M1」はArm製。高性能なんですけどまだサポートが追い付いていない印象です。

というものArmはここ数年モバイル・デバイスでシェアを伸ばしまくっています。ここ最近ではノートPCにも搭載されるようになり、シェアをやっぱり伸ばしています。

ただ、伝統的に開発に使用されていたり、実際に本番で稼働しているサーバーではIntel/AMDが大多数でありサポートはそちらに集中しています。

つまり、いざプログラミング環境を用意しようとしたとき、Arm製を使うための追加設定が必要であったり、そもそもArm製がサポート対象外なことがあるので注意です。

(個人的に調べてるブロックチェーンもArm製では動きませんでした。)

この構成のデメリット

  • 大容量のメモリを使用する
  • iphone向けのアプリ開発はあきらめる

大容量のメモリを使用する

汎用性のために仮想環境を使用するのですけれども、かなりのメモリを使用します。

スクリプト言語などに代表される軽い言語であれば、8GBの容量でも十分です。今回は汎用性重視で仮想環境を使用する都合上大量のメモリを使用します。

WSLのメモリ要件は8GB、もし8GBに満たない場合は50%使用するとあります。6GBのマシンであれば3GBはWSLに持っていかれる計算ですね。

ただ、わざわざ「8GB」と具体的な数字があるように、本当は8GBくらいほしいと暗に示唆しているのものと思われます。実際快適に使用するにはメモリは大いに越したことはないですし。

8GBでWinodowsのとして基本使用で消費し、8GBでWSL2を使用すると16GBではカツカツで心もとないので32GB以上は欲しいところ。

実際、私の手元でも8GB以上使うことがあるので、メモリはあるに越したことはないです。

iphone向けのアプリ開発は無理

Apple向けのアプリは開発できません。アプリをビルドするのにApple向けのアプリはApple製のMacでしかできないので、諦めます。

WSL2の開発環境に必要なスペック・構成

Windows 11 ,10 pro

まずはOSからですが、WindowsのProエディションをオススメします。理由は、WSLを使用するにあたり、Windowsの仮想技術(Hyper-V)を使用するため。この技術はProに搭載されているのでHomeは使用しません。

まあ、Homeエディションでもあれやこれやをすれば使えるようになるのすけども、Proは標準装備なのでサクッと使えます。

それにあまり費用もかからずProエディションに変更可能です。(後述)

Intel CPU

CPUはIntel製のもの、Core-iシリーズ(i3,i5,i7,i9)を使用します。これもまたWSLを動かすためのHyper-Vに必要なためです。

SSD

HDD使用した瞬間に快適な開発から遠ざかります。SSD+ HDDとかはアリ。容量は256GB以上は欲しいですね。

メモリ

最低32GB以上のメモリ。先ほどふれた、WSLを動かすためにこれくらい欲しいです。

コスパの良い開発環境を用意する方法

費用を抑えつつそれなりの性能を手に入れる方法は2つです。

  • 出来合いのPCにメモリ追加
  • 自作

まずはDELL製品を使って、出来合いのPC+メモリ追加の方法から紹介します。

DELL製品 + メモリ造設で手っ取り早く用意する

以下の方法で10万円前後でcore i5 + 32GB メモリ + SSDの構成が手に入ります。手軽で安いので勝手に自作の敵と呼んでいるDELLさんの製品を使います。

  • DELLで本体を7~9万で用意
  • メモリを1.5~2万で用意

DELLでセールを活用本体を7~9万で用意

購入するのは、Inspiron デスクトップ モデル。セールをうまく活用することで本体を9万円以下で手に入れることができます。

このモデルで以下の構成を満たすやつを選んでいきます。

  • intel core i5
  • ssd
  • Windows Pro

>> Inspiron デスクトップパソコン(絞り込み済み)

※注意点としてWindows Proにアップグレードできる製品が何故か絞り込めないのでアップグレードできるかは目視で見ていきます。

第12世代CPU搭載
本体に7000円程度積むだけでProエディションが使える例

画面は8万の本体にWindows Proエディションと電源をグレードアップさせて9万以下で用意しています。執筆時点では、Intel最新の12世代のcore-i5でこの値段・・・安いと思います。

ちなみに一世代前ならさらに安く7万円くらいで手に入れられます。

第11世代CPU搭載

ただ、このままでは8GBのメモリしか搭載されていないので、別途Amazonや楽天なんかでメモリだけ調達していきます。

メモリを1.5~2万で用意

メモリスロットがあるので増設あるいは入れ替えをしていきます。PCの中いじるのに抵抗もある方もいらっしゃるかもしれませんが、メモリ増設は買って入れ替えるだけなので、そんなに身構えなくてもOKです。最近ではYoutubeにDELL製品でメモリ追加している人の動画が上がっているので参考にできます。

マニュアルからメモリの規格を確認

メモリの規格は製品のマニュアルに記載があるので、「ドライバ、マニュアル、サポート」から最新の製品情報を確認しておきます。

簡単に比較表をつくったので参考になれば。

第12世代(Inspiron 3910)第11世代(Inspiron 3891)
スロット数22
規格DDR4DDR4
速度3200 MHz2933 MHz、2666 MHz
最大メモリー構成64 GB64 GB
スロットごとのメモリー サイズ4 GB、8 GB、16 GB、32 GB4 GB、8 GB、16 GB、32 GB
対応メモリ


合計9.5-10.5万で完成

合計額10万くらいで次のスペックのマシンができあがり。

  • Core i5
  • 32GB メモリ
  • 500GB SSD
  • Windows Pro
  • Bluetooth/Wifi

メモリを別途1.5万で追加することによって、費用を抑えつつ大容量メモリが可能です。加えて、DellのInspironのうれしいところは、デスクトップにもかかわらず、WifiとBluetooth接続が標準で搭載されていることですね。

自作も10万くらい

自作は選択肢の一つとしてはアリ。ただ思ったより価格が下がらないんですよね。手間を考えるとオススメしやすいのはDELL + メモリ追加なんですけど、自作にもメリットがあるので、紹介します。

自作の参考の構成

私自身は自作とDELL製品のPCの両方の使用経験があります。DELL製品は15年以上使用してきているものの、今回はWSL2を使用するために自作しています。ただ新旧のパーツがつぎはぎなので現在購入可能なパーツで限りなく近いものを提示します。

参考までにどうぞ。

製品価格
OSセット商品 Windows 11 Pro 64bit DSP + 玄人志向 PCIE-USB3/2 バンドルセット21,580
CPUIntel Core i5 12600 BOX29,980
マザーボードASUS PRIME B660-PLUS D418,680
メモリCorsair CMK32GX4M2E3200C1615,770
SSDSanDisk SDSSDH3-500G-J256,600
ケースCOOLER MASTER MasterBox MB600L V26,618
電源玄人志向 KRPW-L5-500W/80+6,080
合計105,308

※Amazonや楽天を使えばさらに安いショップが見つかると思いますが、パーツをそろえやすい専門店(今回はパソコン工房)を参考に使わせていただきました。

自作のちょっとしたハードル

自作のメリットはカスタムのしやすさ。CPUだけパワーアップさせたり、デスクトップの見た目が気に入らないなら変えることができます。一方でデメリットとしては、はじめて組み立てるときに数万のパーツを壊してしまうかもという恐怖と戦わなければなりません。加えて思ったよりもDELLなどの既製品と比較しても安くなりにくいのも難点です。

価格差はOSのライセンスの差が大きい

自分で組み立てるのだから、安くなりそうな気もしますが実際はそこまで価格が下がりません。下がらないのは理由があります。OSのライセンスです。

基本のWindows Proを購入しようとすると一番お金がかかり、例えばWindows 10 Proであれば、28,380円と効高価です。これは、基本のWindows OSソフトが一番制限が無くサポートがMicrosoft直接という2点が価格を上げています。

パーツと一緒に使う制限があるOEM

先ほど自作例で出した「 セット商品 Windows 11 Pro 64bit DSP + 玄人志向 PCIE-USB3/2 バンドルセット 」は21,580円でしたね。USB拡張できるパーツがついているにもかかわらず、基本のMicrosoftの製品よりも6,000円以上は安いです。これはWindowsをインストールするPCに必ずUSB拡張パーツを付けなければ使えないという制限がついています。だから割安。

ちなみに新しいPCに入れ替えるときも、パーツを一緒に使えさえすればOSをインストール可能です。

既製品のOSは流用不可

DELLなどの製品についているOSは、さらに制限が強く購入したPCでのみ使用することになります。その分さらに安く提供されていますが、新しいPCにOSを移行することはできません。

このように、OS単体あるいはOEMで購入する場合、購入したPCでの制限は無くなる一方で価格にも反映されるため高くなりがちです。これがDELL製品など既製品にインストールされているOSが安い理由です。

自作は二回目以降に費用対効果がでてくる

それでも選択肢として自作が出てくる理由は、「長い期間で見ると、お得になりやすい」からです。

  • OS
  • ケース
  • 電源
  • SSD

あたりは耐用年数があり使いまわしやすいので、新しいPCが欲しいと思ったときに、購入しなくても問題ないことがあります。その分費用が低くできるので、数万円は浮いていく計算になります。

ノートPCだと20-30万のレンジ

デスクトップではcore i5相当のCPUを用意しようとするとcore i7になり、加えてメモリ32GB積むとなると、完全にハイエンド構成になります。間違いなく。

例えば、DELL製品であっても32GBを用意しようとするとゲーミングPCくらいしかありません。安くても24万円ほどで、正直「この価格帯だせるのであればMacBookProとかも選択肢に入れていいんじゃないかな」そんな風に、思わせるほどの価格帯です。

まとめ

最後にまとめます。

  • WLS2を使用して幅広い開発環境を作成できる
  • デスクトップにすればかなり価格を抑えられる
  • DELL + メモリ拡張で手軽に良いコスパを実現

Windows/WSL2を使用して開発環境を整える方法は以上です。WSL2の登場は個人的にゲームチェンジャーになったと思っています。vscodeをつなぎこんだ時に、あれこれ勝手に設定してくれるのはほんとに楽です。

デスクトップは外に持ち出せないゆえか、人気ありませんけど、ほんとに費用対効果のよいものが手に入ります。それにPCは一度購入しておわりではありません。ノートPCとデスクトップPCの価格差は十万円くらいの差があるので、2回、3回と買い替えることを考えると結構馬鹿にならないと思ってます。