
DAOが必要とされる理由をDappsから理解する
DAOってなんで注目されているのでしょうか。
この記事では、仕組みとしてDAOが必要な理由を、分散型アプリケーション(Dapps)を通してみていきます。
DAOは分散型アプリケーション(Dapps)の一部ともいわれますが、どういうことなのかわかる内容になっています。
目次
DAOが必要とされる理由をDappsから理解する
Dappsとは誰かひとりや企業のものではないアプリ
2015年まではWebアプリやサービスはすべて誰かが所有権をもっています。例えばAmazonはAmazonが所有者ですし、楽天やYahooのようなサービスももちろん同じように所有者がいます。App StoreやGoogle Appでダウンロードできるアプリも誰かしらが作成して、その所有権を持っています。
しかし、2015年に状況がかわってきます。イーサリアムの登場により技術的に誰のものでもないアプリケーションの構築が可能になりました。その後もイーサリアムと同様にDappsを構築できるブロックチェーンが続々登場していきます。
分散が求められる理由
Dappsなど分散が求められる理由は、権力の集権化にあります。政府機関や巨大テックに権力が集中しているがゆえに起きている事件がいくつかあります。
政府側が情報遮断したり、はたまた元大統領側がTwitterを利用できなくなるなんて事件も記憶に新しいですね。
ソーシャルメディアは個人が発言する機会を提供する場ではあるものの、特にどこにも所属しない、分散されたアプリで構築することが求められています。
さて、大雑把に分散が求められる社会的背景を紹介しましたが、今回DAOが求められる理由は、もうちょっと技術側に寄ります。分散技術でつくられたDappsがDAOを必要としています。
Dappを作るのに必要なこと
DappsがDAOを必要としている理由は、Dapps自体の管理権限の分散化です。ブロックチェーンを使用することでいくつもの部分を集中管理から分散管理に移すことができました。
インフラも分散
ブロックチェーンによりアプリを動かすサーバーやネットワークが分散化できます。特定のサーバーを攻撃で止めることができても、Dappsは止めることができません。

そして、国や地域をまたぐことで、これまた特定の政府の意向による耐性を持っています。
シングルポイントと呼ばれる、アキレス腱をもたず、動き続けるWebサービスはDappsでは標準装備ですね。
アプリも分散

インフラが分散化され、ソフトウェアであるアプリも分散化されます。それぞれがここに計算するために、悪意ある改ざんをしようと人がサーバーをハッキングしても、無効なものとして扱われます。これもブロックチェーンによって可能になりました。
管理者権限があると分散できない
従来のWebサービス同様、ブロックチェーンでアプリを構築するにあたって管理権限があります。これはブロックチェーン上のアプリが必ずしもDappsになるとは限らないためです。これまで通り企業や個人も使えます。

管理権限があるとアプリを自由に使えます。しかし、このままでは、誰かに集中管理されていないDappsとは違いますね。
アプリの管理者権限を破棄して完成
Dappsになる最も簡単な方法は管理者権限の破棄です。
管理者権限があるとアプリの削除したり、更新したりできます。あるとき皆がつかっていたアプリを消すことも、別のアプリにしてしまうことも可能ですし、特定の人のデータを抹消したりすることもできます。これでは分散化しているとは言えないですよね。
そこで作成者がそのコントロールを手放すことによって、ひとまずDappsになります。
DAOで権限を分散したいDApp
管理者権限の放棄による問題
しかし、この方法ではDappsが「持続可能」な状態ではありません。Dappsにはなりましたが、アプリの管理者権限を破棄したことにより、バグの修正や機能追加によるバージョンアップが一切できなくなっているためです。
致命的なバグがもしも、アプリをリリースした後に見つかろうものなら、ユーザーは使用しなくなり、たとえ、バグが一切なかったとしてもバージョンアップができないSNSなどは、やはり時代に取り残され誰もつかわないでしょう。
DAOにより管理者権限を保有しつつ分散
簡単にいうと権限はざっくり次の問題をもっています。
- 権限があると個人でなんでもできてしまう
- 権限が無いとアプリを更新できない
これらの問題に対処するために、管理者権限を手放さずに、権限を分散化する方法としてDAOの構築が求められています。

DAOの決定はみんなの総意。悪意あるアップデートは排除し、有益なアップデートだけをDappsに反映することがかのうです。
DAOによる総意の反映
DAOは特徴として、ガバナンスシステム(政府機能)を備えていて、管理者不在ではあるものの、決められたルールで管理権限を行使します。
たとえば、提案と投票です。
DAOに参加している人が、提案をおこない、DAOに参加している人たちでそのジャッジをします。賛成多数であれば、可決され管理権限を行使します。
DAOがDappsを更新する仕組み
簡単に、DAOがDappsを更新する仕組みを見てみましょう。
- 更新プログラムと提案
- コミュニティによる投票
- 可決されると自動でアップデート
また、一連の流れが自動化されブロックチェーンのセキュリティで守られているので、悪意ある行動が間に入ることがありません。
DAOのガバナンスシステムもDapps
DAOのガバナンスシステムもまたDappsです。でないとガバナンスシステムさえ攻撃に成功すれば、DAOの制御下にあるすべてのDappsを自由にできてしまいます。
まとめ
- Dappsでは管理者権限を手放さずに、権限を分散化する方法としてDAOの構築が必要
本記事は以上です。Dappsを持続的にしていくためにもDAOが必要だということがわかっていただけたのではないでしょうか。
DAOは作るのが大変なので、手っ取り早くDappsを作るだけなら管理者権限を破棄するのも手ですね。