
【Service Nervous System】インターネットコンピューター本命のローンチパッド
インターネットコンピューターの注目されるローンチパッドは何かお探しの方向けの記事です。インターネットコンピューターはメインネットが稼働してまだ間もないことから、いくつかローンチパッド・プロジェクトが企画されあるいは既にリリースされてきましたが、まだ波に乗り切れていない印象です。
それでも注目されるローンチパッドはあると思います。それがService Nervous Systemです。
この記事では、Service Nervous Systemが
- どんなローンチパッドなのか
- なぜ本命のローンチパッドなのか
について掘り下げていきます。
目次
Service Nervous Systemとは
まず最初にService Nervous Systemの正体からいきましょう。
Service Nervous Systemとは誰でも簡単に利用できるガバナンスシステムです。
「ローンチパッド じゃないじゃん!」
と思われるかもしれませんが、お待ちください。
Service Nervous Systemはガバナンスシステムではありますが、その中にローンチパッドの機能が含まれているのです。
ガバナンスシステムは巨大です。多くの機能があります。ブロックチェーンでDAOで使うようなガバナンスシステムを構築しようとすると、例えば次のような機能が必要です。
- ガバナンストークンの発行(ローンチパッド)
- ガバナンストークンの上限・供給・燃焼のルール(トケノミクス)
- コミュニティでの提案と投票による意思決定(ガバナンス)
- 管理者不要のプログラム更新(Dapp)
もちろんすべての機能がDAOで求められるわけではありませんが、Service Nervous Systemは少なくともこれらの機能を網羅します。
注目のローンチパッドである理由
次にService Nervous Systemに注目すべき理由について紹介します。
- Dfinity・コミュニティ主導
- 簡単にトークンとDAOを構築できる
- ICの課題
- ガバナンスシステムを標準搭載
- 既に資金が集まりつつある
Dfinity・コミュニティ主導
Service Nervous Systemが本命である理由の一つはDfinityが主導しているということです。
Service Nervous Systemという名前は少なくともメインネット稼働前から創設者ドミニクによって言及されていますし、 2021年の7月にはフォーラムではコミュニティと議論が開始されています。
ローンチパッドからDAOまで
ローンチパッドとガバナンスシステムが合わさるとDAOを簡単に作ることができます。
既存のローンチパッドではできないアプリのトークン化
インターネットコンピューターのローンチパッドとしてすでにサービスが稼働しています。例えば、NFTの取引所はNFTのローンチパッドとしての機能も備えます。Entrepotもその一つですね。今のところ、ICPのほとんどのNFTプロジェクトがこのEntrepotを使っています。一方で、NFTに特化しているゆえにNFT以外のプロジェクトとの相性はいまいちですね。しかし、Service Nervous SystemはNFTに限定されません。あらゆるアプリ・プロジェクトで利用可能です。
ICPと同じガバナンスシステムを作ることも可能
そして、Service Nervous Systemを注目のローンチパッドたらしめる理由、ガバナンスシステム。それも、インターネットコンピューターのガバナンスシステム Network Nervous Systemをもとにして作られます。それもより柔軟な設計で。つまり、Liquid Democracy(流動性民主主義)の仕組みをつくることも可能です。
ローンチパッドにより、資金を調達しガバナンストークンを配布する。それにとどまらず、提案と投票により、コミュニティの意思決定をして、報酬としてトークンを配布する。
DAOまで一気通貫でいけるのもService Nervous Systemの強みですね。
ICの課題を解決するService Nervous System
インターネットコンピューターはフロントエンドもDAOも何もかもをオンチェーンで完結できるので、真の分散化が可能といわれています。ただし実際は「そんなに簡単に分散化できないぞ」という感じですね。
開発者による集中管理
ブロックチェーンでしか作れない分散化 されたアプリ(Dapp)を作ろうと思うと、真っ先に立ちはだかるのが権限が開発者にあるという問題です。いわゆる管理者権限。
通常、アプリ・サービスに手を加えるときは、権限がないとなにもできません。例えばこんな操作は権限がなければできません。
- プログラムをアップロード
- メンテナンスするためにアップデート
- 新しい機能を追加するためにアップデート
- 不要になればプログラムを削除
既存のアプリやサービスにはもちろん権限があります。Amazon、Youtubeなど巨大サービスから本ページのような個人ブログにいたるまで管理者権限が存在します。
インターネットコンピューターも同様で、単純にアプリを作ると最初に全権限を開発者にわたりますので、分散アプリケーションを作ろうとしたときには、この開発者への権限の集中が問題になります。
しかし、ガバナンスシステムを備えたService Nervous Systemを使うことで初期から権限を分散することが可能になります。
DAO作れるのにコストが邪魔をする
現時点でも、インターネットコンピューターの力を使えば、権限を分散することが可能です。実際にICPのガバナンスシステムであるNetwork Nervous Systemは稼働していて、コミュニティの意思決定でインターネットコンピューターがアップデートされてきました。
しかし、ガバナンスシステムを作って権限を分散化するには、それだけで開発者リソースを消費します。要はお金や時間がかかるということです。
ただでさえ本命の分散アプリを作っているのに、加えてガバナンスシステム用の分散アプリを作るのは大変です。二重にコストがかかり、小規模のアプリを手軽に作るにはハードルが高く、せっかくの仕組みがあるにもかかわらず、手軽に分散アプリを作るには厳しい状況でありました。
Service Nervous Systemが稼働すれば、自らガバナンスシステムを作る必要がないのでかなりのコストを節約できるようになります。
コミュニティ基金に資金が集まりつつある
ローンチパッドとして重要なのは、「人を集められるのか」ひいては「資金が集められるか」どうかということ。
ローンチパッドといえば取引所というイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際、人気の取引所にはローンチパッドを備えています。取引所という特徴から資金が集まりやすく、 多くの分散アプリやサービスが取引所を通じて資金調達をしています。
Service Nervous System はどうするのか?
人とお金を集める方法として、Service Nervous SystemではNNSコミュニティ基金を使用します。

コミュニティ基金とはダッシュボードにもある通り、Network Nervous Systemを通じて集められたICPであり、その額は2022年4月時点で120万ICPを超えました。
Network Nervous Systemはすでに数万の利用者が見込まれているので、インターネットコンピューターの中では知名度は十分。しかも、まだService Nervous Systemが稼働していない状態、つまり有望なアプリやサービスがローンチパッドに乗る前からICPが集まっています。
これも、Dfinity主導という安心感や期待感があるから可能だと考えています。
利用可能になるのは2022~2023年ごろか
段階的にリリースが見込まれるとはいえ、現場は検討と提案を繰り返している企画段階といえます。Dfinityのロードマップを見てみると、早ければガバナンスの機能だけでも2022年の後半にはService Nervous Systemが登場する可能性が高いです。
そして、コミュニティ基金を利用するためののマイルストーンは2022年第3四半期に置かれているので、早ければ年内にでもローンチパッド機能が使えるかもしれませんね。
ただ、2022年の後半の計画はまだ未確定な部分が多いため、今後のアナウンスは引き続き注目していきたいところです。
まとめ
Service Nervous Systemについての内容は以上です。最後に内容を振り返ります。
- Service Nervous Systemはガバナンスシステムも持つローンチパッド
- Dfinity主導のサービス
- コミュニティ基金で資金が既にある
Service Nervous Systemの目的のひとつは、エンジニアの経験が乏しくとも簡単にガバナンスシステムを構築し利用できることです。これまでは難しかった小規模チームや個人による分散アプリの開発も進むかもしれません。もちろん大規模なチームであってもコストの圧縮が可能なので、インターネットコンピューターにてアプリを作るきっかけの一つになるかもしれません。個人的にはService Nervous Systemにかなり期待してます。
次のアナウンスが待ち遠しい限りです。