
Internet Computerのリバースガスってなに?
AWS や Azure の代わりになると言われているインターネットコンピュータ。
同じブロックチェーンであるイーサリアムはガス代いう利用料の支払いをするのですけれでも、手数料の高騰が問題になってます。
Internet Computerはリバースガスを使って解決しているそうです。
リバースガスはInternet Computerの特徴のひとつではあるものの、
クラウドの利用する立場では、そもそもガス代というものには馴染みがありません。
そこでこの記事では、 リバースガス をブロックチェーンの側面と、クラウド事業者の側面からみていきます。
目次
ガスはエンドユーザーが支払い、リバースガスは開発者側が支払うこと
リバースガスは開発者がCPU計算コストやストレージ利用料を支払うということ。
Internet Computerが持つリバースガスを端的に言うとエンドユーザーではなくて開発者・サービス提供者側が支払います。
エンドユーザー側からしたら嬉しいですね。
ブロックチェーン上に展開されたアプリを使うのにいちいち手数料を支払わなくて済みます。
リバースガスの直接的なメリット
リバースガスのメリットはエンドユーザーの参入障壁の低さです。
アプリを使うにしろ、トークンでの支払いがいちいち発生するのがガスモデルです。
しかし、リバースガスであれば利用料の負担者は開発がわになるので
トークンを保持していなくてもアプリやWEBサービスが利用可能になります。
いままでインターネットを使っていた感覚でブロックチェーンの利用ができるということです。
イーサリアムが抱える価格上昇の問題
アプリケーション(DApps)をブロックチェーンに乗せること自体は
Internet Computerの専売特許というわけではありません。
もっともメジャーなのはイーサリアムでしょう。
イーサリアム もアプリをブロックチェーン上に乗せることができます。
しかしながら、ETHではガス代の高騰により苦しんでいます。
イーサリアム自身も問題解決のためのバージョンアップをしようとしている一方、
他にも多数のブロックチェーンがリーダーのイーサリアムがもつ問題の解決策を出そうとしています。
技術的なアプローチや、仕組みで解決しようとしていたり。
internet computerもその一つですね。
イーサリアムは1GBのあたり5億円以上かかるとされている
ガス代が高騰している要因には次のようなものがあります。
- ネットワークの価値と連動してガス代価格の上昇
- 処理優先順位によるガス代価格の上昇
「ネットワークの価値と連動している問題点」は金銭的なインパクトがおおきいです。
イーサリアムでデータを保存しようとすると1GBのあたり5億円以上かかるのは衝撃です。
Internet Computerは「ネットワークの価値と連動している問題点」をcyclesというトークンを使うことで解決しています。
>>ICPの価格が変わってもInternet Computerの利用料金は変わらない理由
そして、リバースガスは「処理優先順位による価格上昇」の問題を解決します。
処理の優先順位がもたらす利用料の上昇
イーサリアムの持つネットワークパフォーマンス以上に人気が出てしまい、
取引の数が非常に増えました。
手数料が上がっている理由は次の3つが重なり起こります。
- エンドユーザーがコストを支払う
- ガス代を多く支払ったひとを優先的に処理
- 計算能力の上限に達すること
エンドユーザーがコストを負担
イーサリアムや多くのブロックチェーンはエンドユーザー側がガス代を負担します。
ただ、エンドユーザーが支払うこと単体で問題だとは考えてません。
イーサリアムも最初期には非常に安い手数料でネットワークをすることができました。
ですが他に二つと重なったときに問題になります。
ガス代を多く支払ったひとを優先的に処理
次に処理順にインセンティブを与えていることを見ていきましょう。
イーサリアムのネットワークを利用する時に最低手数料に追加で手数料を支払うことが可能です。
イーサリアムの計算を行っているサーバーはより高い手数料を支払っているトランザクションを計算することでより多くの報酬を得ることができます。
計算能力の上限に達すること
エンドユーザーがコストを負担すること、手数料を多く支払ったエンドユーザーを優先的に処理することに、混雑が加わると一気に手数料が上がります。
ネットワークが混雑して「待ち」の状態になることがしばしばあります。
イーサリアムの計算を行っているサーバーの計算能力の上限に達しているということ、
需要に対して供給がおいついていないことです。
現実世界と同じく、燃料費のインフレーションが発生します。
これが、イーサリアムを動かす燃料であるガス代が高騰の仕組みです。
手数料はある日10倍になる可能性

執筆時時点、手数料7ドルなので800円程度というものも高いですけれども、
先ほど述べたネットワークの価値と連動してるせいです。
注目すべきは、画像でマークしたインフレによる価格高騰部分。
日本円にして、8000円もの手数料になっている点です。
ガス代で富むものが勝つネットワークに
ふつうのインターネットであれば、
早い者勝ちで並んだ順番に処理されていくところを、
インセンティブを与えてしまったがゆえに
「お金持ち」が優遇されやすい環境になってしまいました。
リバースガスにすればひとまずエンドユーザーがへの直接負担は無くなる
Internet Computerがもつリバースガスがあれば、
エンドユーザーはアプリを利用するのにいちいち手数料を支払う必要もないですし、
基本お金がないと後回しにされる世界ではなくなります。
エンドユーザー目線でいうと、リバースガスはとても良い仕組みです。
開発者が利用料・ガス代を支払ってまでInternet Computerを使うのか?
とはいえ、開発者が費用を負担してまでInternet Computerでアプリを作ってくれるものなのでしょうか。
エンドユーザーにいくら優しくしても、開発者側に厳しいようではInternet Computerにアプリを置いてもらえません。
改めてリバースガスで開発側・サービス側に求めていることを確認してみましょう。
「アプリや Web サービスを動かすのにお金を支払う」
これって、開発者がAWS・Azureなどのクラウドに利用料金を支払う仕組みに似ていますね。
AWSを使っている企業のなかで、「なぜエンドユーザーはWEBページを開くごとに毎回サーバーの使用料を払わないんだ!」と憤慨している企業や開発者はいないと思います。
つまり、クラウドを利用している事業者はInternet Computerに手数料を払うことに何にも違和感を覚えず移行する可能性があるということです。
まとめ
最後にリバースガス の特徴をまとめてみます。
- エンドユーザーはブロックチェーンと気づかずに利用できる
- リバースガスであれば手数料上乗せによる価格高騰はない
- リバースガスの支払い構造は AWS や Azure などのクラウド利用料に似ている
Internet ComputerはAWSやAzureの代替となるブロックチェーンといわれていますが、
支払い体系までクラウドに寄せているとは興味深いです。
では。