【OpenChat】インターネットコンピューターで分散化されたメッセージアプリを使う

OpenChatはインターネットコンピューターに構築された、つまりブロックチェーン上にあるメッセージアプリです。LINEにも同名のサービスがありますがそれとは別です。

  • OpenChatを使う意味
  • OpenChatをすぐに使うメリット

にふれつつ今注目されているOpenChatについて紹介したいと思います。

OpenChatが求められる理由

ブロックチェーン上に構築されるアプリというのは分散アプリ(DApps)とよばれ、所有権を企業から自分たちにすることができます。

LINE・WhatsAppなどと違い、自分のメッセージ、画像、動画を所有しているといえます。

どういうことでしょうか。

  • あなたのアカウントにアクセスできる別のひと
  • 現行のメッセージアプリは巨大テックに独占されている
  • 真に所有できる

あなたのアカウントにアクセスできる別のひと

自分のアカウントなのだから自分のものだろうと思いますよね。メッセージアプリにかぎらず他のSNSアカウントはすべて自分の支配下にあります。

しかし、実際にはもう一人あなたのアカウントにアクセスできる人・組織があります。アプリを提供している企業です。もちろん、プライバシーポリシーやコンプライアンスのもとで保護されているので、企業を信頼すれば何も問題ありません。

しかし、企業に目を付けられるとアカウント名が企業にとって邪魔だと思われるとアカウントは凍結されたりします。

また、企業に他意がなくとも、アカウント凍結される可能性も。あなたが気に入らないというだけで、通報されアカウント凍結されるなんてことも起きるかもしれません。

私個人の見解としては、大半の人はアクセス権を失う被害を被ることはないと思っています。しかし、万一にもアカウントへのアクセス権限を失った場合は、人との連絡手段を失ったり、思い出ともいえるデータにアクセスできなくなったり、ダメージが大きいですよね。

真に所有できるOpenChat

OpenChatはこれらの企業に対する所有から個人の所有への問題を解決しようとしています。

それにはいくつかのステップが必要です

  • ブロックチェーン上に分散されたアプリであること
  • プログラムのソースコードが完全に公開されていると
  • 企業ではなく利用ユーザー等によって管理されていること(いわゆるガバナンス)

OpenChatが最終的に完成すると「あなたのアカウントにアクセスできるのはあなただけ」になります。

OpenChatの現状と今後の予定

現時点ではOpenChatは開発中です。現時点できることと今後の予定を見てみましょう。

現時点でOpenChatでできること

まだベータ版ということもあって機能は少な目。まだテキストでメッセージをやり取りするのがメインで、一対一のメッセージのやりとりとグループチャット機能がメインです。画像や動画はメッセージと同様に投稿はできますが、通話、ビデオ通話はありません。

OpenChatの今後の展開は?

OpenChat上でいまいま公開されている予定やインターネットコンピューターの資料から、注目の展開を見てみましょう。

メッセージから暗号通貨が送れる

ICPやサイクルなどインターネットコンピューターのネイティブトークンのほかにも、NFT送信もあり得ます。インターネットコンピューターのビットコインサポートもあるのでビットコインの送受信も可能になるかもしれません。

>>インターネットコンピューターとビットコインの直連携

ガバナンスの立ち上げ

先ほどの真に所有する「企業ではなく利用ユーザー等によって管理されていること」ですね。OpenChatのガバナンストークンが配布することで、ユーザー等の手によって運営されていきます。

ガバナンスが立ち上がれば、ユーザーが欲しい機能を投票にて選ぶことが可能になります。

他にも機能拡張あり

もちろん、上記二つ以外にもメッセージアプリとしての機能追加が予定されています。マークダウン方式のメッセージ。メッセージの検索機能、etc

課題感・利用者を集められるか

前向きな今後の展開を述べたので、一方でネガティブな側面も紹介しておきます。OpenChatの課題、利用者を増やすことができるかどうかです。

利用者が多いことは、メッセージアプリに限らず正義です。

利用者が多い→メッセージアプリの収益が増える→機能を拡張で便利になる→利用者が増える

と力をつけていき、数十億人が限られた企業のアプリを使っているのが現状です。OpenChatが機能を増やしていくだけでは既に便利なアプリから移行してくれるかはわかりません。

現行のメッセージアプリは巨大テックに独占されている

事実、メッセージアプリは巨大テックがシェアを押さえています。

https://www.statista.com/statistics/258749/most-popular-global-mobile-messenger-apps/

1位・2位がFacebook系、3位・4位がテンセント系と独占的。50億のアクティブユーザーを抱えてます。米中ハイテク戦争の様相です。日本もランキング外ではありますがLINEに独占されています。LINEも日本では十分に巨大企業といえるでしょう。

利用者が多いのは強いです。LINEを使っている理由が、友人が使っているから使っている以外の理由は特にないひとも多いのではないでしょうか。

プライバシーの重要性が鍵か

ではどうすればOpenChatの利用者が増えるのか。

鍵はやはり「あなたのアカウントはあなたのもの」、個人への所有権と見ています。

プライバシーポリシーやコンプライアンスでの変化や個人情報の関連の事件により、人々との価値観に変化がみられればOpenChatの利用者が増える可能性があります。

実際にWhatsAppなどがプライバシーポリシーの変更を通知した時に、よりプライバシーを尊重しているTelegramへユーザーが大量に流出しています。

今から使うメリットは?

OpenChatが求められる背景と今後の展望についてふれてきましたが、ここまでで、利用者が少なく・機能がまだまだ少ないOpenChatを使い始めるメリットはあるのか疑問に持たれる方もいるかと思います。

メリットを挙げるとすると

  • インターネットコンピューター・ブロックチェーン上に構築されたアプリを体験できる
  • OpenChatのガバナンス・トークンを手に入れるチャンスがある

特にガバナンストークンを所有するということは、OpenChatの一部を所有しているといっても過言ではありません。価値あるサービスになればそのトークンにも価値が反映されるでしょう。

OpenChatは無料で使える

現時点でOpenChatはベータ版として公開され利用できます。OpenChatの利用を開始するには2つの方法があります。

  • SMSを利用したアカウント作成
  • ICP支払いでアカウント作成

SMSを利用すれば、無料でアカウント作成ができます。興味深いのはSMS以外ではICP支払いでアカウント作成をすることですね。こちらは有料。

SNSでは同じユーザーが複数のアカウントを作成することがあります。ただ作る分にはもんだいないでしょうが、中には悪意を持ってアカウントをたくさん作る人もいます。

SMSで無料でできるようにしておいて、複数のアカウントを作るにはコストをかけると自作自演などシビル攻撃に対して耐性ができます。

SMSでアカウント作成すれば無料でOpenChatアカウントが作れるのでオススメです。

OpenChatの始め方

次にOpenChatを使い始める方法を紹介します。手順はすくないので簡単に。

事前に用意するもの

必要なものはこちら。

電話番号で登録するのはちょっと・・・と思う人はICPを用意しましょう。

OpenChatのアカウント作成方法

では、実際にアカウント作成してみます。

OpenChatのURL

https://oc.app/

にアクセスしましょう。珍妙なURLにリダイレクトされますが、あまり気にしないで大丈夫です。

「https://oc.app/」が入口ではありますが、インターネットコンピューターのURLは「https://6hsbt-vqaaa-aaaaf-aaafq-cai.ic0.app/」のような形で現在管理されています。

今後のインターネットコンピューターの機能拡張で変わっていくと思いますが、いまはこのランダムな文字で構成されているURLが利用されています。安全なのでそのまま進みます。

インターネットアイデンティティ(II)認証

OpenChatのURLアドレスを許可しますかといわれるので、Prodeedで進みます。

アカウント作成方法の選択

「どのように登録しますか?SMSコード(推奨)または小規模なICP転送を使用して確認しますか?」

「SMS code」、「Transfer(ICP支払い)」のどちらでも作成できます。準備したほうで進みましょう。

SMS で作成

国の選択と電話番号の入力をして「Request code」を押します。

ICPで作成

表示されるウォレットアドレスに0.1 ICPを送り、「Confirmed」で進みます。

ユーザー名登録

SMSもしくはICPでアカウント作成したら次はユーザー名の登録です。画像はICP支払い作成をしたものになりますが電話番号での認証もおそらく似た画面になっているかと。

ユーザー名の登録が完了すれば準備完了です。

まとめ

以上でインターネットコンピューターのメッセージアプリOpenChatの紹介を終わりです。簡単に振り返ります。

  • OpenChatを使えば自分のアカウントやメッセージを自分のものにできる
  • OpenChatはベータ版これからも機能追加される
  • トークンを配布することでユーザーが管理するアプリになることを目指している

SMSを使えば無料でアカウント作成できるので、ガバナンストークン狙いでとりあえずアカウントだけでも作っておくのはアリかなと思います。