
インターネットコンピューターとビットコインの直連携
BTCとの連携するとアナウンスしたインターネットコンピューター。
2021年末時点ではまだ連携されていないようです。
- いつ連携されるのか
- 連携によるメリット
について紹介しつつ、他のブロックチェーンとの連携についてもふれています。
気になる方はぜひご覧ください。
目次
ビットコインとの直接統合は進行中
9月にビットコインとインターネットコンピューターの連携を行うことが投票で決まり、
ビットコイン連携にむけて開発がスタートしました。
2021年内で発表されるかともうわさがありあましたが、実際の状況を確認します。
2022年第一四半期にリリースを目指す
コミュニティフォーラムで現在の状況が共有されており、
開発者向けのプレビューが1月ごろに共有され、
最終的なリリースは2022年の2,3月ごろにの見込みです。
現在の進捗状況
ECDSA署名に関する機能を開発中。
このECDSAの機能はイーサリアム連携にもつながる技術ですね。
ビットコイン連携によるメリット
インターネットコンピューターがビットコインと連携する価値をみていきます。
ビットコインと連携するのは技術的な連携だけで新しくサービスが出来上がるわけではありません。
インターネットコンピューターの機能を拡張させるいわば基礎的な開発です。
ですが、この基礎を使ってインターネットコンピューター上のアプリは便利になっていくと考えられています。
IC上のアプリでビットコイン支払いができる

まずは単純なところから、そのものずばり、インターネットコンピューター上でビットコイン支払いができるということです。
ブロックチェーンのトークンには通貨と呼べるほど信頼のあるものはほとんどありませんし、通貨以外の用途で作られているものもたくさんあります。
そんな中でもビットコインは実用的で、現実世界の決済手段として使われています。
海外では実際に通貨として利用されており、コカコーラを自販機で購入できたり、ケンタッキーにピザハットの支払いにも使えます。
私自身も仮想通貨決済している人をみていないので、ピンときていないのですが、海外での利用が拡大しているのは事実のようです。
ビットコインと連携するということは、インターネットコンピューターのアプリが通貨の決済手段を手に入れるということを意味します。
どういうことができるようになるのか:可能性の話
指紋認証で送金
インターネットコンピューターはインターネットアイデンティティという認証システムがあるので、秘密鍵を意識することなく指紋認証だけでビットコインの送信が可能になる。
暗号技術による本人確認でメールでのワンタイム認証などがいらなくなります。
SNSとの統合
日本ではLineが決済手段をすでに備えているので、あまり目新しい感じではないですけど。
インターネットコンピューター上にSNSを構築すれば、動画系SNSや音声系SNSあらゆるタイプのSNSで、ビットコイン送金機能も連携できるので、いわゆる投げ銭も簡単に実装できるようになります。
あと、口座の管理が、業者から自分になるのもポイントです。
分散型金融サービス(DeFi)
ほかのブロックチェーンではDeFiでにぎわっているわけですが、
インターネットコンピューターではまだまだです。
ビットコインを利用できるようになり、DeFiアプリが作られて少し盛り上がればいいですね。
ICPの価格には影響があるのか
ICPの価格の変動率が大きいので確かなことはなにもわかりません。
インターネットコンピューターのトークンICPは利用されれば価値が上がり、利用されなければ価値が下がるようにデザインされています。

直近3か月で消費されたICP量は約1500 ICP程度。まだまだ使われていません。
ビットコイン連携だけでインターネットコンピューターの利用人口が増えるとは考えにくく、
積極的に利用してもらうにはプラスアルファで、
利用したいと思わせるDAppsがインターネットコンピューター上に構築される必要があります。
ビットコインとの連携は「便利なDApps」のひとつの要素にはなると考えられますので、
長期的にはICPの価値向上に寄与する可能性はあります。
ただ、それがいつになるのかはわかりません。
他のブロックチェーンのBTC連携との違い
ビットコイン連携を行っているブロックチェーンはインターネットコンピューター以外にもあります。
そこで、他のブロックチェーンが行っている既知の方法とインターネットコンピューターのビットコインの連携方法の違いがあるのか見てみます。
ラップされたビットコインで連携する方法
既知の方法はラップされたビットコインとして扱うことです。
有名なのはイーサリアム上で利用できるWBTCですが、この記事ではラップされたビットコインすべてを指します。
特定のコインを指すわけではないのであしからず。
さて、「ラップされたビットコイン」形式の連携方法はこんな感じです。

ビットコインネットワークからBTCを中継点になるサービス(取引所とか)に預け入れることで、別のネットワークの中で「BTC相当」の価値のあるトークン(緑色)を利用することができます。
懸念点はセキュリティと信用です。
中継点であるサービスがハッカーからの攻撃に耐えられるのはもちろん、サービス自体が突然BTCを持ち出してしまう可能性もあります。
サービスに持ち逃げされるとラップされたビットコインの中身が空になるので、価値が盗まれてしまいます。
インターネットコンピューターは直接統合

ビットコインアドレスを保持しますし、ビットコインのトランザクションを実行できるようにします。ネットワークへの直接統合で、先ほど出てきた中継点であるサービスは存在しません。
ラップされたビットコインがインターネットコンピューター上に来るわけではなく、直接ビットコインのトランザクションを行えるため、生のビットコインの受取、送信、保持を可能にするでしょう。
メリットは信頼性とセキュリティ
ビットコインのネットワークと直連携なのでセキュリティはビットコインネットワークそのもの。「ラップされたビットコイン」よりも高くなります。
デメリットはパフォーマンス
ただ、良くも悪くもビットコインのネットワークであるため、ビットコインの取引処理速度の改善の期待はあまりできないでしょう。
wBTC構想はインターネットコンピューターも議論されている
安全性が確保できている一方で、ラップされたビットコインもインターネットコンピューター上で扱えるようにしたらどうかという議論がされています。
というのも、前述した「速度」がやはり無視できない課題だからです。
ラップされたビットコインのメリットは、価値の保存を仲介者がしているリスクを負う代わりに、ビットコインよりも速いネットワークが使えることです。
ビットコインの送信に数十分かかっていたものが、ラップされたビットコインの送信は数秒で終わることも考えられます。
より良いユーザー体験には価値保存と取引速度の両立が不可欠です。
ラップされたビットコインにはセキュリティのデメリットと仲介者を信用できるかどうかは特に問題ですので、インターネットコンピューターとして対応し信頼を維持する案などが出てます。
いずれにせよ。まずは直接統合なので先の話ではあります。
しかし、ビットコインが実際にインターネットコンピューターでやり取りされるようになり
取引の需要次第でビットコイン連携のフェーズ2を実行されるでしょう。
そのときには、「速度と信用を兼ね備えたラップされたビットコイン」が登場するかもしれませんね。
ビットコイン以外のブロックチェーンと連携は?
インターネットコンピューターがビットコインと直接連携できるようになるなら、他のブロックチェーンとの連携についてはどうなっているのか。
BTC連携が無事完了すれば次はETH連携が候補のひとつに挙がってます。
ビットコイン連携のためにECDSA系の暗号技術が開発されているのですが、この技術はETHにも転用できるため、スムーズにイーサリアムネットワークと連携できるだろうと期待されています。
まとめ
最後、この記事のまとめです。
- インターネットコンピューターとビットコインの連携は2022年第一四半期リリース予定
- インターネットコンピューターとビットコインは直接連携するのでセキュリティが維持される
ビットコイン連携の完成にはもう数か月かかる見込みですが、
個人的にはビットコインの連携により、多くのアプリがでてくることを楽しみにしています。
では。