
なぜSUSHISWAPやUNISWAPがインターネットコンピューターにある?
とうとうインターネットコンピューターにもDEXが移動してきたのか、と一瞬期待しましたがどうやら違うようです。
この記事では
- なぜユニスワップなどの有名な DEX アプリがあるのか
- インターネットコンピューターへのメリットはなんなのか
について紹介していきます。
目次
インターネットコンピューターにある他のブロックチェーンのDEX
インターネットコンピューターにある他のブロックチェーンのDEXとしてUNISWAPとSUSHISWAPがあります。
インターネットコンピューター版の既存DEX
画面部分だけがインターネットコンピューターで動いている
結論からいうと「画面だけインターネットコンピューターで動いている」です。
DEXアプリはコアと画面の構成
UNISWAPとSUSHISWAPなどのアプリは取引を行うためのコア・プログラムとブラウザで表示される画面のプログラムは別で管理されています。
例えばUNISWAPは、コアプログラムは別のブロックチェーン(最新バージョンはPolygon利用中)で動いていて、画面は先ほど紹介したURLで稼働中です。
画面のプログラムは利用できるように公開されている
オリジナルとインターネットコンピューター版のページを見ると非常によく似ているのは、オリジナルを元にしているからですね。よくわからずにサイトを開くと「悪意あるサイトか!」と身構えまてしまうかもしれません。
元にしている画面のプログラムは、オープンソースとして誰でも利用できるように公開されています。例えば、SUSHISWAPのサイトに行かなくても自分のパソコンだけで画面を表示させる、なんてこともできるでしょう。
インターネットコンピューター版のDEXは、公開されているソースを元にインターネットコンピューターで動かしてみた、というサイトなわけです。
画面だけインターネットコンピューターで動かす背景
では、何故に既にあるDEXの画面をインターネットコンピューターで動かしたのでしょうか。
ブロックチェーンの上に構築されたアプリの中には画面は分散化していない問題があります。 コアはブロックチェーンにあるのに、画面は別で管理ということです。
- 費用の高騰
- 非分散化での問題
- 分散化で規制を回避
費用が高いので一般のWEBに置いてる
イーサリアム系のアプリではガス代と呼ばれる高い利用料をさけるため、重要なプログラムはブロックチェーンに置き、画面などはブロックチェーンの外に置くことがあります。
分散化されていないと問題になるケース
確かにこの方法では費用は抑えられるのですが、一方で別のリスク、サービスやアプリを止められる可能性を生みます。
取引を実行するコアとなるプログラムはブロックチェーンによって止めることができないけれども、画面を止めることでユーザーに取引させないことが可能です。
技術者であれば先ほど紹介したプログラムなどを利用することができますが、知識がないと難しいです。大多数の人はいきなりDEXが使えなくなることになります。
特にDEXは、国や政府の領分でもあるお金に関わるアプリですので規制の対象になりやすいです。DEXが規制されずに持続可能かどうかは分散化しているかどうかも一つポイントになるでしょう。
一つの国や政府で運営するリスク
例えば、ひとつの国で動かしていた場合、政府の要請で簡単にサービスやアプリをとめることができます。たまに仮想通貨関連でサーバーとか押収されてるニュースを見かけます。
企業のプラットフォームで動かすリスク
また、クラウドも世界に分散化されているからと言って油断はできません。AWSやAzureはアメリカの企業のクラウドプラットフォームを利用してはあまり意味がありません。所属している国があるからです。アメリカ政府の要請次第では、AWSもAzureもアプリを停止させることができます。
ブロックチェーン上でアプリを動かせば規制されにくい
画面のプログラムもブロックチェーンで動かせば、どこかの国や企業に依存しなくなり規制ができません。そう、インターネットコンピューターで動かせばいいんです。
「インターネットコンピューターでは安価にWEBサイトなど画面のプログラムを置くことができるので利用してみてください!」
というサンプルとして公開されていたのがインターネットコンピューター版のUNISWAPやSUSHISWAPです。
インターネットコンピューターのデモンストレーション
SUSHISWAPの画面をつくったエンジニアには、開発者褒賞プログラムとして賞金が与えられています。一見パチもんのように思えたコピーサイトにはきちんと価値があるということです。
特に、デモンストレーションとしての役割。インターネットコンピューターを使えばフロントエンドを分散化できるということを広めることができます。
画面がまだ分散化されていないWEBアプリのプロジェクトはいくつもあります。UNISWAPやSUSHISWAPなど有名どころの画面をインターネットコンピューターで動かすことで宣伝になり、アプリを移動してきてくれるかもしれません。
たくさんのアプリがインターネットコンピューター上で展開されれば利用者がさらに増えネットワークの価値が高まります。
SUSHISWAPは正式に採用されているわけではないが・・・
また、SUSHISWAPに関してはデモンストレーションにとどまらず、実用化されるかもです。
インターネットコンピューター上に置くための開発したプログラムが現状カナリアにあります。カナリアとは、本番とテストのあいだのようなものなので、いずれSUSHISWAPの画面のオリジナルがインターネットコンピューターに置かれるかもしれません。
まとめ
- コストの問題などで画面が分散化されていないWEBアプリがある
- インターネットコンピューターを使えば画面を分散化できる
- 完全に分散化されれば規制・検閲に対して耐性をもてる
ブロックチェーンの登場で、いままでできなかったことが可能になっています。
銀行など既得権益とバチバチに争う分野もあるので、分散化によってどんな変化がでてくるのか、個人的には怖さもある一方楽しみでもあります。