【ckBTC】ICPのビットコイン・アップデート第二弾

ビットコイン統合に引き続き、インターネットコンピューターでビットコインに関する機能アップデートが行われます。

簡単にアップデートの内容を紹介したいと思いますので、興味のある方はご覧ください。

【ckBTC】インターネットコンピューターのビットコイン機能アップデート

アップデート第一弾・BTCの直接統合がローンチに向かっている中、次のビットコイン機能の強化が提案されました。ckBTCの追加です。

アップデート開発が開始

開発に着手するか否かを問う投票が2022/03/18~2022/03/22に行われ賛成多数で可決されました。インターネットコンピューターを支持している人のほとんどがこのアップデートに好意的な結果になり、大きなコミュニティであるDfinity、ICA、ICPM、Cycledaoのすべてで賛成票でした。

ckBTCの由来

ckBTCについている「ck」はインターネットコンピューター根幹技術のチェーンキーからきています。BTCに関連したトークンをつくるときに、使われる命名方法。既にあるトークンだとwBTC、renBTCなどがあります。

ckBTCの内容

さてckBTCとはなんなのか、アップデートの内容をみていきましょう。

「ビットコインの元帳をラップしてインターネットコンピューターに置く」

ちょっと、ピンと来ないですね。言い方を変えると、

  • インターネットコンピュータ上でビットコインと同じものを動かす。

です。

前回とのアップデートとの比較

アップデート第一弾であるビットコインの直接統合が行われれば、直接ビットコインのトランザクションが扱えます。インターネットコンピューターから行ったトランザクションもビットコインの元帳に記録され、誰もが正しく取引がされていることを確認できます。

そう、アップデート一弾の時点でビットコインを十分に連携できているのです。にもかかわらず、ビットコインの元帳をインターネットコンピューターに新しく作り、ckBTCを発行しようとしています。理由をみていきましょう。

アップデート第一弾の課題

ビットコインで決済できるサービスは世界的に増えていて、例えばPCメーカーであるDELLではビットコインでPCを購入できる国と地域があったりします。実際に決済手段として使用されているビットコインではありますが、しかし、ビットコインは「速度が遅い問題」を抱えています。

一回の取引にかかる時間が、速くて10分、遅いと1時間くらいかかります。私も初めてビットコインを転送したときには、あまりにも反映が遅いので間違った口座に転送してしまったのではないかと恐怖したものです。

インターネットコンピューターで追加されるアップデート第一弾では「ビットコインの直接統合」ゆえ、実行できる取引もすべてビットコイン・ネットワークのものです。つまり、良くも悪くもビットコイン取引そのものなので遅く、速さを克服できなかった経緯があります。

アップデート第二弾での改善点

ckBTCはインターネットコンピューターのネットワークを使います。計算するノードもビットコインのものではなく、「チェーンキー」を冠する暗号技術で行われます。

トランザクション速度改善

インターネットコンピューターとビットコインでは、メカニズムがそもそも違うので速度を大幅に改善できます。数秒から数十秒程度で取引が完了するとみています。

ただ、インターネットコンピューターのトランザクションは2秒程度で完了できるので、インターネットコンピューターの中では遅い部類になるでしょう。

とはいえ、BTCの速度ではリアルタイム性が無い決済でしか実用性はありませんでしたが、ckBTCの速度なら即時決済にかなり近づきますね。

エネルギー効率の上昇

ビットコインのコンセンサスアルゴリズムに使用されているProof of Work(PoW)は非常にエネルギーを消費するようになりました。

中国ではエネルギー消費が高いビットコインの計算(マイニング)を禁止していますし、欧州でも規制が検討されるなど、以前からの環境問題に加えて、2021年以降のエネルギー価格問題がPoWへの規制を高めています。

しかし、ckBTCはPoWを使用せずに別のメカニズムを持っているためエネルギー効率が非常に高まり、環境負荷を低くすることができます。

セキュリティが強固

標的にされるブリッジが無い

コインのラップで使われているブリッジは使用されません。DEXではブリッジがよく攻撃されていますね。しかし、ckBTCはブリッジ不要なのでこの懸念はありません。

インターネットコンピューターの中でも強固なセキュリティ

ただ、強固なセキュリティが必要なのはckBTCも変わりません。そこで心臓部のガバナンスシステム(NNS)と同じセキュリティレベルで保護することが提案されています。ガバナンスシステムが脅威にさらされるのであれば、インターネットコンピューターを破壊することも可能でしょう。

ゆえに、インターネットコンピューターの中でも強固に守られていて、計画ではckBTCも同じ場所に配置されます。

まとめ

  • ckBTCはインターネットコンピューターにあるBTC
  • コンセンサスアルゴリズムはインターネットコンピューターのもの
  • トランザクション速度は本家BTCに比べて改善
  • インターネットコンピューターのガバナンスシステムと同じようにckBTCは保護される

一つの機能開発が終わる前に次の開発がスタートする。当たり前ではあります。ただ新しいことをどんどん進めまくってますよね。

  • ビットコインの統合
  • イーサリアムの統合

この2つだけでも結構大変そうですけど、そのほかのプロジェクトを進行しつつ、さらに今回のckBTCもスタートです。ブロックチェーン・プロジェクトは活気があって良いですね。